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2025.12.22

若手の挑戦を退けた西郷里奈と、勢いに乗る20歳の松岡隼が初優勝で1000万円を獲得!

優勝賞金1000万円のテニス大会、湘南美容 Presents「SBCドリームテニスツアー2025」が、12月20日(土)、21日(日)に、兵庫県・ブルボンビーンズドームにて開催されました。

初日は男女各12名、3名ずつの4ブロックに分かれ、総当たりのグループリーグ戦を行い、2日目はグループ1、2位の選手によるトーナメント戦が行われました。

女子の決勝トーナメントは1回戦から予想外の展開になりました。瀬間詠里花(橋本総業)が前日に第1シードを破って1位通過を果たした小堀桃子(橋本総業ホールディングス)を撃破。第4シードの 西郷里奈(東急スポーツシステム)が第2シードの細木咲良(原商)に勝利し、秋田史帆(テニスラウンジ)も昨年3位の倉持美穂(SBCメディカルグループ)から勝ち星を挙げ、下位シード選手が上位に勝利する結果に。

そんな中、辻岡史帆(Fテニス)と 早坂来麗愛(仙台育英学園高等学校)の若手対決は、ストレートで早坂が勝利。早坂は準決勝もストレートで勝ち上がり、「自分はチャレンジャーなのでやれることをやって頑張りました。だんだん会場の雰囲気にも慣れてきて、自分でもよいプレーが出せたと思えたので楽しかったです」と、調子も上がり決勝に挑みます。

決勝では 2023年全日本選手権準優勝者で25歳の西郷が、17歳の早坂の挑戦を受けました。早坂は持ち前のパワフルなサービスとストロークで3-0とリードします。西郷もパワーで対抗。序盤はミスも出ていましたが、徐々に厳しいコースに入り始め3-3に追いついてタイブレークへ。耐える時、攻める時のメリハリをつけて4-3(8)で第1セットを奪取します。

西郷は第2セットに入っても集中力を切らさず3-1とリード。次のゲームは早坂の攻撃力がさく裂しブレークされましたが、崩れることなく4-2で勝利。試合後に「自分が1000万円取れると思っていなかったので、試合中に手が震えてきましたが、今はほっとしています」と、初優勝で1000万円を獲得しました。

勝利者インタビューで1000万円の使い道を聞かれると、「姉と1Kに2人で住んでいるので、広めの家に移動したいです」との考えもある様子。今後については、「今年最後の大会で緊張感をもって戦うことができたので、来シーズン、グランドスラムに向けて頑張っていきたいです」と語りました。

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男子は準決勝で大波乱が起こりました。第1シードでATPキャリアハイ72位の綿貫陽介(SBCメディカルグループ)が、ワイルドカードで出場した20歳の松岡隼(三菱電機エンジニアリング)にストレートで敗れました。

松岡は11月にオーストラリアのチャレンジャー2大会でベスト4、準優勝という結果を出してブレーク中。加えて今回は『Yoshi’s CUP』の初代優勝者ということもあり、大会主催者の西岡良仁から綿貫対策を存分に伝授されて試合に臨みました。

松岡はリターンゲームの戦略が見事にはまり、4-0で第1セットを奪取。第2セットでは綿貫も対応してきましたが、松岡は重要なポイントでも積極的に攻める姿勢を崩さず金星を挙げました。試合後に松岡は、「セカンドセットはどっちに転ぶかわからない展開で、かなり緊張もしましたが、最後、自分の良さであるフォアハンドで打ち抜けてよかったです」と喜びました。

決勝は、その松岡と25歳の白石光(SBCメディカルグループ)との対戦。この2人は今年ATPランクのキャリアハイを更新しており、松岡は360位、白石は423位です。過去の対戦成績は白石の2戦2勝。白石の粘り強いストロークとネットを絡めるスタイルを、松岡の攻撃的なプレーで上回れるかがポイントでした。

2-2までキープが続きましたが、白石が珍しくミスを重ねた好機を見逃さず、松岡がブレークに成功。第1セットを4-2で取ります。松岡は決勝戦前にも西岡からアドバイスをもらっており、ネットへの出方やポイントの作り方を考えながら試合に臨んでいる様子。パワーを少し抑えてラリーをしつつ、チャンスで得意の回り込みフォアで決めるなど、無理せずにポイントを取る場面が多くなります。再び2-2のゲームでブレークを果たし、4-2で頂点に立ちました。

勝利者インタビューでは「1000万円取ることができて、とにかくうれしいです」と満面の笑み。「この1000万はテニスへの自己投資だと思っているので、トレーナーさん、コーチ、栄養士さんなど色々なところに投資して成長に結び付けたいと思います。グランドスラム予選に来年出場すること、トップ200に必ず入ること、この2点を達成したいと思います」と、目標を明確に宣言しました。

松岡は準決勝で格上のパワーヒッターである綿貫に勝利し、決勝では粘り強いプレースタイルの白石から初白星を挙げました。この大会で賞金に加えて、自信も得たことでしょう。

◆西郷里奈の優勝スピーチ

「たくさんの方にサポートして頂いた優勝だと思っています。もちろん1000万円を取ることができてうれしいですが、スタテニさんの配信でたくさんの方に見ていただき、自分を知っていただけたことが、今回出場して良かったことだと思っています。この賞金で来年の目標に向かって練習をして、遠征を回って結果を出していきたいと思います」

◆松岡隼の優勝スピーチ

「この優勝賞金1000万は全てテニスのための自己投資に使います。将来この何倍、何十倍も賞金を稼げる選手になれるように頑張りたいと思います。来年も飛躍の年になるように精一杯努力しますので応援よろしくお願い致します。

◆女子シングルス準優勝
西郷里奈[4](東急スポーツシステム)4-3(2) 4-1瀬間詠里花(橋本総業)
早坂来麗愛[WC](ウイニングショット/仙台育英学園高等学校)4-2 4-0秋田史帆(テニスラウンジ)

◆女子シングルス決勝
西郷里奈[4](東急スポーツシステム)4-3(8) 4-2 早坂来麗愛[WC](ウイニングショット/仙台育英学園高等学校)

◆男子シングルス準決勝
松岡隼[WC](三菱電機エンジニアリング)4-0 4-3(6) 綿貫陽介[1](SBCメディカルグループ)
白石光[3](SBCメディカルグループ)1-4 4-3(7) 11-9 高橋悠介[4](三菱電機)

◆男子シングルス決勝
松岡隼[WC](三菱電機エンジニアリング)4-2 4-2 白石光[3](SBCメディカルグループ)

※氏名の後ろの数字はシード

◆順位と賞金
女子優勝 西郷里奈 賞金1000万円
女子準優勝 早坂来麗愛 活動支援金100万円
女子3位 瀬間詠里花、秋田史帆 賞金30万円


男子優勝 松岡隼 賞金1000万円
男子準優勝 白石光 賞金100万円
男子3位 綿貫陽介、高橋悠介 賞金30万円