NEWS

ニュース

2024.12.22

来年のグランドスラム出場を本気で狙う好調の山口芽生と中川直樹が初優勝!賞金1000万円を獲得!

優勝賞金1000万円で話題のテニスの大会、湘南美容 Presents「SBCドリームテニスツアー」のファイナルラウンドが、12月21日(土)、22日(日)に、東京の有明テニスの森公園 インドアコートにて開催されました。

初日は男女各16名、4名ずつの4ブロックに分かれ、総当たりのグループリーグ戦を行い、2日目はグループ1、2位の選手によるトーナメント戦が行われました。

女子のトーナメントは1回戦から波乱が起きました。昨年覇者で第1シードの伊藤あおい(SBCメディカルグループ)が細木咲良(原商)に、第2シードで3つのツアータイトルを持つ日比野菜緒(ブラス)が大前綾希子(橋本総業)に敗北を喫しました。2人とも試合中にメディカルタイムアウトを取りケアを受けるなど、動きが万全ではない中、最後までプレーしました。

女子決勝カードは、第8シードの細木と第3シードの山口芽生(フリー)となりました。この2人は予選リーグでも対戦しており、その時は山口が4-3、1-4、13-11という接戦で勝利しています。2人とも昨年は決勝トーナメント1回戦で敗退しており、初の決勝進出です。

「予選と変わらず自分のやることに集中してプレーしました」と言う山口は、その言葉通り最初から攻撃的にパワフルなショットを打っていきます。両サイド両手打ちの細木は、よく動き、強打を受け止めつつカウンターを狙っていきました。第1セットは山口の攻撃力が上回り、4-3(3)で奪取しました。

第2セットも山口が3-2とリードしますが、細木のショットが深く決まってタイブレークに突入すると、思い切りの良さを発揮しきれず3-4(4)で落とします。しかし、10ポイントマッチタイブレークでは、再び力強く打ち込む姿勢を見せて10-6で初優勝を果たしました。

両手を突き上げて喜んだ山口は、「来年、グランドスラムやWTAツアーをメインにして戦うにはランキングを上げる必要があり、そのためには資金が必要なので、何としてでも1000万円をゲットしようと思って頑張りました」と思いを語りました。夢を聞かれると、「25歳は若くはないですが、残りのテニス人生をWTAの舞台で生活し、それが日常になることが目標であり夢です」。12月16日付のWTAランキングは277位で、キャリアハイを更新中。この賞金で世界への道をつかみ取り、ツアーの常連選手になることも夢ではありません。

男子は準決勝で見ごたえのある試合がありました。第1シードの西岡良仁(ミキハウス)と、第4シードの綿貫陽介(SBCメディカルグループ)の試合です。西岡は日本ナンバー1で現在の世界ランクは69位。今年はATP250のアトランタ大会に優勝しています。綿貫はキャリアハイ72位で、今年の上海マスターズでは予選を突破し3回戦に進出しました。

世界で戦う2人の対戦は鋭いショットの応酬となりました。西岡のミスが目立ち、綿貫が4-1で第1セットを奪います。第2セットはキープが続き、タイブレークでは綿貫が鋭いフォアのアングルでミニブレークに成功し4-2とリード。1度追いつかれましたが、再びブレークして、最後はサービスエースで決めました。

男子の決勝カードは26歳の綿貫と第5シードで28歳の中川直樹(SBCメディカルグループ)。中川は今年アメリカのチャレンジャーで優勝しており、12月16日付のランキングは373位で、キャリアハイの334位に近づいてきています。綿貫の現在のランキングは375位なので、実力が近い2人の対戦となりました。中川は昨年の準優勝者で、綿貫は初の決勝進出です。

第1セットは綿貫のサービスが冴え、リターンでは前に入って攻めたり、ブロックリターンをしたりと、色々なパターンを披露してペースをつかみ0-4で取ります。この時、中川は昨年の決勝で0-4、1-4で敗れたことを思い出し、「去年の反省を生かしてできることを1本1本やる」ことに集中します。

その切り替えがうまくいき、深い伸びのあるフォアハンドが決まり出し、4-3(3)で第2セットを奪取し、10ポイントマッチタイブレークへ。中川は勢いそのままに、リードを保って10-2で初優勝を果たしました。

中川は「めちゃくちゃうれしいですね」と逆転勝利での初優勝を喜び、優勝賞金の1000万円は「遠征費やコーチ、トレーナーにしっかり使っていきたいです。来年こそはグランドスラムに出場して、しっかり活躍できるように頑張りますので、応援よろしくお願いします」と来年の活躍を誓いました。

この大会の趣旨を見事に反映させたかのように、世界への足掛かりとするために資金を必要としていた選手が優勝を果たす結果となりました。

◆山口芽生のコメント
「海外遠征に行く時、安い航空券は乗り継ぎが多いですが、来年は直行便が多くなるかと思うとうれしいです。来年、グランドスラムやWTAツアーをメインにして戦うにはランキングを上げる必要があり、そのためには資金が必要なので、何としてでも1000万円をゲットしようと思って頑張りました。グランドスラムやWTAで生活していきたい気持ちを持っていますので、応援していただけるとうれしいです」

◆中川直樹のコメント
「去年のSBC決勝は0-4、1-4で負けたので、0-4になった時にまたかと。何をやっているんだと思い、去年の反省を生かしてできることを1本1本やろうと思ってやったことが、この結果につながって良かったです。来年は本当にグランドスラムを目指していて、最初の半年はランキングが落ちることがないので、グランドスラムを狙えるチャンスだと思っています。この1000万は遠征費やコーチ、トレーナーにしっかり使っていきたいです」

◆女子シングルス準優勝
細木咲良[8](原商)4-2 4-0 大前綾希子(橋本総業)
山口芽生[3](フリー)4-3(3) 4-2 倉持美穂[6](SBCメディカルグループ)

◆女子シングルス決勝
山口芽生[3](フリー)4-3(3) 3-4(4) 10-6 細木咲良[8](原商)

◆男子シングルス準決勝
綿貫陽介[4](SBCメディカルグループ)4-1 4-3(5) 西岡良仁[1](ミキハウス)
中川直樹[5](SBCメディカルグループ)4-1 4-2 片山翔[WC](伊予銀行)

◆男子シングルス決勝
中川直樹[5](SBCメディカルグループ)0-4 4-3(3) 10-2 綿貫陽介[4](SBCメディカルグループ)

※氏名の後ろの数字はシード

◆順位と賞金

女子優勝 山口芽生(フリー)賞金1000万円
女子準優勝 細木咲良(原商)賞金300万円
女子3位 倉持美穂(SBCメディカルグループ)賞金100万円

男子優勝 中川直樹(SBCメディカルグループ)賞金1000万円
男子準優勝 綿貫陽介(SBCメディカルグループ)賞金300万円
男子3位 片山翔(伊予銀行)賞金100万円

※西岡は3位決定戦を棄権。