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2023.07.22

勢いに乗った若手が制するか、潮目を読むに長けるベテランの経験が勝るか? いよいよ開幕!

テニス選手たちに『夢』を与えたい——。

そのような願いの下に発足した『SBC Dream Tennis Tour』。その2年目となるツアーのファーストステージが、本日7月22日に開幕する。

開催期間は、2日間。参戦選手、男女各16名。優勝者と準優勝者には、12月16~17日に行われる、ファイナルステージへの参戦件が与えられる。ファイナルステージの賞金総額は男女各3,260万円。優勝者が手にするのは、1,000万円。まさに『夢』のある大会だ。

夢へのスピード感も、この大会の魅力の一つ。試合は1セット4ゲームのショートセット。4名によるラウンドロビンを勝ち上がった選手たちが、ノックアウト方式のファイナルラウンドで頂点を目指す。勢いに乗った若手が制するか、あるいは潮目を読むに長けるベテランの経験が勝るか……? 新旧対決にも注目が集まる。

その意味では、ファーストステージには男女いずれも趣き深い顔ぶれがそろった。

男子の参戦選手ランキングトップは、24歳の羽澤慎治。ジュニア時代から世界を知る快男児は、慶応大学進学を経て昨年プロ転向。「学生時代に鍛えたフィジカル」、そして「自信を持って打てるようになったスマッシュ」をひっさげ、短期決戦を制しに行く。

対して、ワイルドカードで最後の出場枠を得たのは、47歳の福田勝志。サウスポーから広角に打ち分けるショットと、安定のストロークはまさにベテランの技。ぜひ多くのファンに熟練の妙味を味わって頂きたい。

女子の方では、19歳の伊藤あおいがランキングトップを張る。伊藤の持ち味は、本人曰く「省エネテニス」。相手のショットの威力を利する巧みなカウンターに、虚をつくドロップショットやロブの数々。「お手本は伊達公子さんとシェ・スーウェイ」と聞けば、テニスファンなら誰もが深く頷くプレースタイルである。

この大会を足掛かりに飛躍を狙う選手もいれば、今大会を最後にキャリアに幕を引く選手も居る。それが、参戦選手中6位、27歳の牛島里咲。細身ながら、ピンと背筋の伸びた身体をコマのように回転させ、フォア、バックともに両手から放つショットは、強烈にして流麗。幼少期にクラシックバレエを習っていた牛島のラストダンスを、ぜひとも目に焼き付けて頂きたい。

それぞれ、キャリアの異なる地点に立つ選手の足跡が、この一点で交錯し、各々の夢に向かって伸びていく。

選手たちが繰り広げるドラマを、そして未来のスター候補を間近で見られる『SBC Dream Tennis Tour』は、テニスファンにとっても、『夢』の大会だ。

文/内田暁